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高配当株投資のメリット
高配当株投資のメリットには以下のようなものがあります。
- キャッシュフローが良くなる
- 出口戦略が簡単
キャッシュフローが良くなる
高配当株を保有することで定期的に配当金を受け取ることができ、日々のキャッシュフローがよくなります。
月々数千円でも、生活費の一部を配当金によって賄えると考えるとかなり安心感がありますね。
例えば、配当利回り4%の高配当株を100万円分保有することで、毎月2,000円〜3,000円の配当を受け取れる計算になります。(税率を20.315%として計算した税引後)
しかも、この配当金は一度きりでなく、投資先の企業が倒産や上場廃止などしない限り一生受け取れるわけです。
こう考えると、水道光熱費や通信費などの固定費の一部くらいなら賄えるわけですから、家計的にもかなり助かりますね。
また、ここまでは配当金のみの話ですが、将来にわたって成長力を持つ優良企業を選別して保有することで株価自体の値上がりも期待できます。
「配当を目当てに購入したけど株価が1.5倍になったから一部利確して利益を値上がり益を得る」といったこともできるのです。
出口戦略が簡単
高配当株投資は、インデックス投資などと比較して出口戦略が簡単です。
インデックス投資や値上がり益重視のグロース株などの場合は、利益を得るためにいつかは売却する必要があります。
購入タイミングに加えて売却するタイミングまで測らないといけないなんて、大変ですよね。
「インデックス投資を40年積み立ててかなり増やせたけど、引退を機に売却して生活費に当てようと思ったら株式市場が暴落した」なんてことになったら目も当てられません。
その一方、高配当株投資は配当金という形で定期的に利益確定をしてくれるので、自分で売却タイミングを測る必要はありません。
もしかしたら、一度購入したら一生売却しない銘柄もあるかもしれません。
このように、高配当株投資はとにかく出口戦略が簡単なのです。
高配当株投資のデメリット
ここまでで高配当株投資のメリットについて説明してきましたが、デメリットも気になると思います。
主なデメリットは以下のようなものがあります。
- 資産規模の成長力に欠ける
- 減配のリスクがある
資産規模の成長力に欠ける
高配当株投資の投資対象は、株価に対して配当利回りが高めな銘柄群のことを指しますが、そのような企業は往々にして成熟した企業であることが多いです。
例えば代表的な高配当銘柄の顔ぶれを下に示しますが、これらは日本を代表する企業ではあるものの、高い成長率を誇る企業ではなく、安定した老舗企業ばかりであることに気づくと思います。
- 日本電信電話(NTT)(配当利回り:3.11%)
- 東京海上ホールディングス(配当利回り:3.67%)
- 三菱商事(配当利回り:3.92%)
※配当利回りは2023年2月8日の終値ベース
そのため、株価自体の値上がりは2021年のGAFAMのような成長企業や米国インデックスなどには及ばないことがほとんどです。
資産額が小さく、これから大きく増やしていきたい段階の人にはあまりそぐわない投資手法かもしれません。
逆に、すでにまとまった資産を持っていて、労働による収入に加えて追加で収入が欲しい人には向いている投資法です。
減配のリスクがある
高配当株投資をしていて気をつけなければならないことの一つに「減配」があります。
字の如く配当が減少するのですが、銘柄選びに失敗すると遭遇することがあります。
2021年9月に日本たばこ産業(JT)が上場来初の減配を発表し、一時株価は急落しました。
JTは典型的な高配当銘柄として有名(配当利回り:7.11%! 2023年2月8日終値ベース)ですが、国内のタバコ需要減退による逆風で業績が下がったために減配になりました。
このように、投資対象企業の将来性をしっかりチェックしないと、当初見込んでいた配当金がもらえないということにもなりかねません。
高配当株の基本方針
高配当株投資を始めるにあたって、守るべき基本方針がいくつかあります。
- 銘柄分散、セクター分散
- 時間分散
銘柄分散、セクター分散
銘柄とセクターを分散させるのはとても重要です。
もし1銘柄や1セクターに集中投資していた場合、特定の銘柄やセクターに影響のある出来事が起こった場合に大きなダメージを受けてしまいます。
例えば、景気敏感セクターである不動産銘柄のみに投資している場合、2022年12月の日銀の実質利上げの政策変更などの要因があると大きくダメージを受けてしまいます。
- 三井不動産
- 三菱地所
- ケイアイスター不動産
- 東京建物
例えば、このポートフォリオに以下のような銀行株を入れておくだけで、下落を緩和できたはずです。
- 三菱UFJフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループ
このように、銘柄やセクターの集中投資はかなり危険な行為です。
少なくともポートフォリオ内で30銘柄、10セクター以上の分散を心がけておきましょう。
時間分散
銘柄やセクターだけでなく、買付時期も分散すると良いです。
気に入った銘柄をすぐに全力買いした場合、買ってすぐ株価が暴落したらチャンスを逃してしまいます。
この場合は、一度に買わずに少しづつ買っていくことで、暴落を逆にチャンスにすることができるわけです。
暴落して株のバーゲンセールになっているのに、指を咥えて見ているだけでは、株の最大の買い時を逃してしまいます。
高配当銘柄選定のチェック項目
それでは、具体的に銘柄剪定をするにあたって、何を気にして銘柄を選べば良いのか紹介していきます。
あくまで私が採用している基準になるので、参考に程度に見てみてください。
- 配当利回り
- EPS、売上高、営業利益
- 自己資本比率
- 配当性向
- フリーキャッシュフロー
配当利回り
高配当株投資をしている以上、配当利回りのチェックは欠かせません。
一般的には3%以上の銘柄を高配当銘柄という場合が多いので、ここでも3%を目安として考えます。
ここで確認したいのは、今の配当利回りが過去平均と比べて高いのか低いのかです。
配当利回りが過去平均と比べて高ければ株価が割安と判断する材料になりますし、逆に低ければ割高といえます。
今の株価の割安さは他の指標も含めての判断になるため、一概には言えませんが目安として参考にすることは可能です。
私は銘柄やセクターにもよりますが配当利回り4%以上を投資対象判断の目安に置いています。
売上高、営業利益(EPS)
企業の稼ぐ力が伸びているかどうかを売上高や利益(EPS)をチェックします。
投資対象の候補になるのは売上高や営業利益が右肩上がりに成長している銘柄です。
例としてKDDIの売上高とEPSの推移をグラフにすると以下のようになり、長期にわたって概ね右肩上がりに成長していることがわかります。
これが将来に渡って安定的に続くと想定されるなら投資対象候補になるわけです。
決して長期で売上高や営業利益が右肩下がりの銘柄や業績の変動が激しい銘柄にに投資をすることは控えた方が良いです。
2021年のJTのように株価が下落したり減配で配当が減ってしまう可能性が高いです。
JTの長期の売上高・EPSの推移をみると、EPSは上がっているものの売上高はこの10年間ほぼ横ばいです。
自己資本比率
自己資本比率は、総資産のうちの自己資本の占める割合です。
この指標が高い企業は借入金などの負債が少なく、積み上げた利益剰余金や株式の発行を通じた自己資本金をもとに効率的な経営ができているといえます。
セクターにもよりますが、目安として自己資本比率が40%以上あれば安心といえる水準だと思います。
配当性向
配当性向は、当期の純利益に対する配当金総額の割合です。
投資家としてはもらえる配当金は多い方が嬉しいですが、配当性向が高過ぎて無理をして配当を出している銘柄は危険です。
配当性向が高いということは、業績が少しでも下がるとすぐ減配につながってしまうリスクがあるのです。
20%〜50%を目安として配当性向を決定する企業が多いようですが、40%未満を目安としてみておけば大きく失敗することはないと思います。
銘柄選定チェック項目のまとめ
まとめると、以下の条件で投資対象の候補を選定しています。
- 配当利回り 4%以上
- 売上高成長率 右肩上がり
- 自己資本比率 40%以上
- 配当性向 40%未満
業績チェックツール
最後に、企業業績をチェックするのに便利なWebサイトを紹介します。
- IR BANK
- 企業のIRページ
IR BANK
IR BANKは、企業業績のサマリーが簡単に参照できるサイトです。
>> IR BANKのページはこちら
業績一覧ページを閲覧したい場合は
①証券コードまたは銘柄名から検索
②サイドバーの「決算」をクリック
③会社業績が一覧で閲覧できる
企業のIRページ
投資対象企業の決算資料や事業内容などを詳しく調べたい場合は各企業のIRページを訪問することをおすすめします。
例えば9433KDDIの場合は企業ホームページにIR情報が集められたページが用意されているのでそこを確認します。
>> KDDIのIRページ
四半期ごとの決算期には決算関連資料が掲載されたり、投資家向けのプレスリリース情報などが掲載されるので定期的に確認する癖をつけると良いでしょう。
まとめ
高配当株投資を始めるには、勉強するべきことも多いですがノウハウを身につけることでかなり堅実にお金を増やすことができる投資手法です。
是非一緒に学んで高配当株投資ライフを楽しみましょう。